白昼、人前で放尿行為をしてしまったというあの極限の羞恥体験は、その前の全裸姿を不特定多数の人に見られてしまったという公然わいせつの屈辱と相まって、私に計り知れぬほどの衝撃を与えました。
それは深く、醜いケロイドのような、決して消えることのない精神外傷として、私の魂の奥底に黒い痕を残したのです。
その後、私はその精神外傷によって不安定になり、時々衝動的な事件も起こしています。
(これについてはまた別の機会にお話ししたいと思いますが、私の露出狂という病は、この体験によって決定づけられたのです。)
しかし、この強烈な衝撃を、早熟だった私は性的な妄想の中で狂ったように反芻し始めました。
それは、まるで傷がきれいに消えてなくなるかのように、私は狂ったようにオナニーにふけったのです。
羞恥を快感で上塗りするという、倒錯した治療行為でした。
そうやって自分を慰めることにより、私は鋭い、そして罪深い快感を味わっていました。
それは、傷を消すどころか、性的倒錯の溝をもっと深く、深くえぐってしまうことになっていったのです。
自分で自分を慰める時、いつも私の意識の奥では、私は恐ろしい怪物に弄ばれていました。
それは、あの夏の体験が変形して擬人化したものだと思います。
人間を超越した絶対的な存在で、悪魔のような姿をした淫魔なのです。
冷たく、しかし淫らな視線を私に注ぐ、私の精神の支配者。
淫魔の前では、私など一たまりもなく、瞬く間に裸にされ、肉欲の塊と化します。
触手のような太い蔓が、私の手足の自由を奪い、全身を緊縛します。
私は逃れることもできず、ただなすがままです。
私は一個のモノとなり、涙を流しながら、激しい快感にのたうちまわるのです。
羞恥と被支配の極致が、私のM性の花を咲かせる。
そして、ぐったりとベッドに横たわる私の愛液で濡れた割れ目を触手で撫でながら、淫乱魔は冷酷な声でこう囁き残して行くのです。
「おまえの割れ目は、単なる女の性器などではない。これは私が刻みこんでやった、淫魔の傷痕なのだ。淫乱の烙印なのだ! おまえは永久に、この羞恥の快感から逃れられない奴隷なのだ」
私は心と身体に、決して消えない淫らな烙印を深く刻みこまれてしまったのです。
この淫魔の傷痕こそが、私の存在理由になってしまったのです。
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