突然の健太郎の姿に、私は激しく動揺していた。
彼に一人で淫らなビデオを見られていたことが、年上としてのプライドを傷つけ、同時に理由のわからない恥ずかしさで胸を押し潰されそうだった。
だから、私は語気を荒げて、つっけんどんに彼に言ってしまった。
「何だよ、そんなに怒らなくてもいいだろ。小雪ちゃんが、真剣な眼差しでビデオに見入ってるもんだから、声をかけちゃ悪いと思ってさ」
「ちょっと……タチが悪いわよ、それって」
私はドキドキする胸の鼓動を健太郎に感づかれないよう、努めて平静を装っているつもりだった。
「それより健太郎。あなた一人でこんなビデオ見て、何をしてんのよ。それもSMだなんて、ちょっと趣味を疑っちゃうわ。もしかして、あなた変態じゃないの?」
私は勢いあまって、彼を否定する言葉を吐き出してしまった。
支配されることへの無意識の拒絶だったかもしれない。
「しまったー」と内心思いながらも、「これくらいのお灸は据えておかないと、年下のくせに生意気だわ」とプライドを保ち、シャワーを浴びにバスルームへ向かおうと立ち上がった時だった。
「何だよ、小雪。そんな言い方はないだろ」
健太郎は低い声でムッとし、私の肩を強い力で掴んだ。
私とて、ここで年下の男に負けてなるものかと、彼の手を振り切って行こうとした、その時だった。
「ちょっと待てよ、小雪」
彼は私のバスローブの襟元を掴み、乱暴に自分の方へと引き寄せた。
「ピシッ」
何が起こったのか、数瞬は理解できなかった。
しかし、頬の灼熱するような痛みがじわーっと伝わってきて、ようやく、彼が私のことを平手打ちしたのだと気がついた。
「ちょっと、健太郎! 何てことするのよ。いいかげんにしてよ。人のことを殴るなんて……もう、離してちょうだい。私、帰るから。もう二度とあんたとなんか会わないからね!」
いつもは仔犬のように私にじゃれつき、可愛がっていたはずの健太郎に叩かれた屈辱で、私は思いっきり腹が立っていた。
「待てよ」
急に彼の口調が荒っぽくなり、私はかすかに、初めての種類の恐怖を覚えた。
すると、突然彼が、私のバスローブのひもを乱暴にほどき、そのひもを私の後ろ手に回して、きつく縛ってしまったのだ。
「何するの! いや! やめてよ、健太郎!」
ひもをほどかれ、前がはだけてしまい、抵抗する手が使えない。
私は彼のことを、声の限りののしるだけののしってやった。
「おい小雪。何とでも言えよ。もっと、わめけよ。もっと暴れろよ。そのうちに、もう二度と暴れられないようにしてやるぜ」
そういう健太郎の目は、いつもの優しい仔犬の目から、一匹の飢えた野獣の目に変貌していた。
「小雪、おまえは一人でビデオを見て、あんな事、私にもして欲しいなんて、心の奥底で思ってたんだろう」
「そんな事ないわよ! 何言ってんのよ、それより早くこのヒモをほどきなさいよ」
「まぁまぁ、そうあわてるなよ。たっぷり時間はあるんだから。おまえがヒィーヒィーよがり声をあげて、まるで娼婦みたいになるまで、今日は今までの分、たっぷりとお返しをしてやるからよ」
健太郎はソファーに戻り、煙草に火をつけ、深々と吸いこむのでした。
「なぁ小雪、もうおまえ、私の手で、恥ずかしい目にあわされて欲しいと思ってんじゃないのかい? えー、どうなんだい、この淫乱女」
「いやよ、こんな格好じゃ。手をほどいてちょうだい」
「どれどれ、ちょっと検診してみようか?」
そう言いながら健太郎は私の脚の間に自分の足をはさみ入れ、バスローブから覗く、剃りたてのアンダーヘアの上に手をのせてきました。
「いやよ。いやよ」
必死の拒絶の言葉とは裏腹に、健太郎の指がしげみを割って、その割れ目の線にそってなぞりあげていくと、思わずピクンと私は体を反らせてしまった。
「おいおい、小雪ちゃんのオマンコは、もうグチョグチョになってるぜ。身体は正直だな」
私の秘部は、彼の言うとおりに、恥ずかしいくらいに濡れそぼっていました。
それは私にとっても以外なことで、「どうして、こんなに……私、この人に叩かれて、縛られて、興奮してるの?」と、自分の肉体の裏切りに混乱したくらいでした。
彼は私の体を乱暴に抱き上げ、ベッドの上にほうり投げました。
私の体はバスローブがはだけ、まくれ上がり、あらわな裸の姿になりました。
「もうよしましょうよ、ふざけるのは……ねえ、健太郎くん」
いつもの「お姉さん」の口調は消え、もう私は哀願するしかなかったのです。
それで彼が後手をほどいてくれたら、もう本当にこれでお仕まいにしてやると思っていたのですが、私が考えていたほど、彼の支配は甘くはなかったということが、私はじょじょに、体の隅々で、そして股間の熱で感じ始めていました。
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