最終回【妊娠、引退】畑野安香里(25歳・アナウンサー)からの告白

名前:畑野安香里(仮名)

年齢:25歳

職業:元アナウンサー

スリーサイズ:T157cm/B84cm/W60cm/H90cm

元アナウンサー、畑野安香里(はたの あかり)、25歳。

かつてはその声で人々を魅了したが、不祥事をきっかけに全てを失う。

現在は再起を夢見ながら、”ご主人様”と慕う男の元で、心身ともに尽くす日々を送る。

身体に刻まれた「奴隷の証」と、幾度もの苛烈な調教によって植え付けられた絶対的な服従心。

彼女はそれを屈辱ではなく、愛されるための勲章と信じている。

“女優”という新たな舞台を与えられた彼女が、その先に掴むのは栄光か、それとも更なる奈落か。光と影の間で生きる、一人の女の壮絶な物語。


あの地獄のような夜から、一ヶ月が経った。

広尾の高級マンションの一室。

安香里は、まるで抜け殻のように、ただ息をしていた。

窓の外では、都心の煌びやかな光が明滅を繰り返しているが、その光はもはや彼女の心には届かない。

身体に刻まれた無数の傷跡は、時間と共に薄紫色の痣へと変わりつつあったが、魂に刻まれた傷は、今も生々しく熱を持っていた。

心の傷が癒えてきた、などということはない。

ただ、あまりの絶望は、感情を麻痺させるのだと知っただけだ。

その日、安香里は、何かに憑かれたようにパソコンを開き、一ヶ月ぶりに自身のブログを更新した。

誰かに見てほしかったのか、それとも、まだ「女優・畑野安香里」として存在していると確かめたかったのか、自分でもわからなかった。

『みんな、お久しぶり。元気でしたか?私は、少し休養をもらっていまして、なんか、自分を見つめ直すいい機会かなって。生まれてきた意味って何だろうね。必要とされてないなぁとか、無価値な人間だなあって、才能ないなぁって日々。いっぱい考えるけど、ちゃんと自分だってことは忘れたくないよね。何者でもないし、普通の人間だけど。それでも大切な大好きな人たちがいるから。私はここにいる。って自分に言い聞かせてる』

翌朝、コンビニで買ったサンドイッチを味もなく口にしながら、ぼんやりとテレビのワイドショーを眺めていた。

その画面に、見慣れた自分のブログ記事が映し出され、安香里は息をのんだ。

【女優の畑野安香里(25)が24日に自身のブログを更新。その意味深な内容に、ファンから心配の声が殺到しています】

アナウンサーの、他人事のような声が、やけにクリアに聞こえる。

テーブルの上に置かれた、一通の封書。

その上に、テレビの光が反射していた。

(もう、女優ではないの……普通の女の子に、戻るの……)

封書の中身は、事務所からの正式な契約解除通知の控えだった。

本来、引退には記者会見が伴う。

だが、今の彼女は、とてもじゃないが人前に出られる身体ではなかった。

心は戻っても、あの夜に刻まれた傷跡と共に、女優としての未来は完全に絶たれていた。

テレビの特集が、引き金になった。

忘れようと、必死に蓋をしていた、ある決定的な事実。

安香里は、食べかけのサンドイッチを放り出し、トイレへ駆け込んだ。

棚の上には、悪夢の残骸のように、何本もの使用済み妊娠検査薬が並んでいる。

それは、何度試しても、非情なまでにくっきりとした”陽性”のサインを灯していた。

その赤い線を見つめていると、たった一年半前の、希望に満ちていた自分の姿が脳裏をよぎる。

アナウンサーとして、もっと輝けるはずだった未来。

ご主人様と出会い、歪んだ愛の中に幸福を見出した日々。

そして、女優という儚い夢。

「どうして……どうして、何で、私だけ……何がいけなかったの……!」

嗚咽が、冷たいタイルの床に吸い込まれていく。

その日の午後、安香里は意を決して、産婦人科の重い扉を開けた。

医師の言葉は、彼女の淡い期待を無慈悲に打ち砕く。

妊娠は、決定的だった。

何度、あの夜を思い出しても、誰の子なのかはわからない。

顔も知らない、若いアイドルたち。

あるいは、サークルの男たちの誰か。

ただ一つ確かなのは、あれだけ渇望したご主人様の子供ではないということだけだった。

せめて、彼の子であって欲しかった。

その叶わぬ願いが、安香里の心を最後の絶望へと突き落とした。

ブログの最後の記事に、安香里はファンへの言葉を綴った。

『いつもありがとう。とてもショックな事態で、すいません。本当は仕事を続けて行きたいし、ファンの方は大事な存在なので、復帰を待っていてください。』

それは、誰よりも自分自身に向けた、悲痛な祈りだった。

このマンションも、今月末には退去しなければならない。

安香里は、少しずつ荷造りを始めた。

田舎の実家に戻るのに、ほとんどの物は不要だった。

ご主人様が選んだドレス、首輪、日記、そして、あの夜に着せられた赤い蝋がこびりついた因縁の衣服。

思い出の品の数々を、安香里は無言でゴミ袋へと詰めていく。

それは、畑野安香里という女が生きてきた、一年半という時間の、あまりに惨めな葬儀だった。

数年後

30歳になった安香里は、生まれ育った町のスーパーで、レジ打ちのパートをしていた。

都会の喧騒とは無縁の、穏やかな時間が流れる場所。

毎日、午後に仕事を終えると、その足で五歳になる娘を保育園へ迎えに行く。

夕焼けに染まる道を、小さな手を繋いで歩く。

「ママ、今日ね、お絵かきでチューリップ描いたんだよ!」

もちろん、父親などいないシングルマザーだ。

けれど、娘の屈託のない笑顔を見ていると、過去の悪夢は、まるで遠い前世の出来事のように思えた。

忙しく、けれど確かな温もりに満ちた、楽しい毎日だった。

「上手に描けたね。お家に帰ったら、パパに見せてあげようね」

安香里は、いつもそう言って、空の上のどこかにいるはずの、優しい父親の話を娘に聞かせる。

ふと、レジ袋を持つ安香里の手首に、消え残った調教の傷跡が、夕日を浴びて微かに浮かび上がった。

安香里は、娘を強く、強く抱きしめた。

この腕の中にある温もりだけが、今の彼女の、世界の全てだった。

その瞳の奥に、かつての光と、決して消えることのない深い影を宿しながら、彼女は、明日を生きていく。

こんにちは初めまして畑野安香里と言います、もちろん本名ではなくペンネームです。

投稿するの迷ってたのですが、初めて書いたので大目に見てもらえると嬉しいです。

書き終えてから読み返すとかなり滅茶苦茶な文章になってしまって、所々、何度も直したりしたんですが時すでに遅しって感じでした。

登場人物やキャラクター設定をミスってしまったのが原因かなと反省してます。

実は私、週に3日は塾の先生のアルバイトをしてますが、それ以外の日は週に1~2日はSMクラブでM女として働いています。

このお話ですが、SMクラブのお客さんから聞いたりとか一緒に働いている女の子達から聞いたりした話の中から特に気になったり驚いたりした話をネタに、自分自身を主人公にして「こんな事されたいな、あんな事してみたいな」と妄想しながら書きました。

添付した写真はプライベートでも縛られる事が好きなので、縄師の方に緊縛撮影をお願いした時の写真です。

畑野安香里 畑野安香里

SMクラブで働いているなんて塾には秘密ですが、こんな見た目なので先生や生徒にはバレて無いと思います(笑)

他にももっと沢山のネタがあるので、今度はもう少しちゃんと書いてみたいです。

今後も投稿した際には掲載して頂けると嬉しいです。

それでは失礼いたします。

敬具

 

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