名前:畑野安香里(仮名)
年齢:25歳
職業:元アナウンサー
スリーサイズ:T157cm/B84cm/W60cm/H90cm
元アナウンサー、畑野安香里(はたの あかり)、25歳。
かつてはその声で人々を魅了したが、不祥事をきっかけに全てを失う。
現在は再起を夢見ながら、”ご主人様”と慕う男の元で、心身ともに尽くす日々を送る。
身体に刻まれた「奴隷の証」と、幾度もの苛烈な調教によって植え付けられた絶対的な服従心。
彼女はそれを屈辱ではなく、愛されるための勲章と信じている。
“女優”という新たな舞台を与えられた彼女が、その先に掴むのは栄光か、それとも更なる奈落か。光と影の間で生きる、一人の女の壮絶な物語。
夕食の片付けを終えリビングへ入ると、ご主人様は深いソファに身を沈め、テレビを眺めていた。
寛いでいらっしゃるご主人様の足元に、安香里は音もなく近寄り正座する。
夜の奉仕は、ここから始まるのが常だった。
まず右足の靴下をそっと脱がし、一日の疲れが溜まった足裏を揉みほぐす。
汗ばんだ指を一本ずつ口に含み、舌を使って丁寧に清めていく。
指の間に溜まった汚れを舌で拭うと、微かな酸味と、ご主人様の肌そのものの匂いがした。
(ああ、今日もたくさんお仕事をされて、お疲れなんだわ……)
その疲労の証が、安香里には何よりも頼もしく感じられた。
両足への奉仕を終えると、次はズボンのベルトを緩め、ファスナーを下ろす。
下着姿になったご主人様の股間に顔をうずめ、その男臭い独特の香りを、”すぅっ”と布地の上から深く吸い込んだ。
(ご主人様のこの匂い、何度、嗅いでも安心する匂い)
下着をずらし、まだ柔らかいご主人様の分身を口に含む。
先端から滲む塩味のある液体を味わいながら、舌を転がして綺麗にしていくと、ご主人様のそれが微かに熱を帯びるのがわかった。
(嬉しい……今夜はご主人様も、少し興奮してくださっている)
その事実に、安香里の奉仕はさらに熱を帯びていく。
一番汗をかいている睾丸付近から脚の付け根までの匂いが一番強く愛おしさすら感じる。
唾液で濡らし、舌で舐め上げ、唇で拭い、口で汚れを吸い込んで、全ての匂いを身体の中へ吸収するまで御奉仕します。
汗ばんだ匂いや汚れも消え一通りのお掃除が終わった頃に突然ご主人様から話しかけられます。
すべてが清められた頃、不意にご主人様が口を開いた。
「そういえば安香里、先日のオーディションの結果だが、見事合格だ。本当に良く頑張ったな。私も嬉しいぞ」
あまりに突然の報告に、安香里の思考が止まる。
「……本当、ですか……?ああ、心臓がドキドキする」
嬉しさのあまり、反射的にご主人様の性器から口を離して問い返してしまった。
「誰が口を離して良いと言った。……まあ、今日は仕方ないか。その嬉しい気持ちは、伝わってくる」
叱責の中に滲む優しさに、安香里の目から涙が溢れた。
辛かったこと、苦しかったこと、その全てが報われた気がした。
(ご主人様のために、もっと……!)
感謝と歓喜の全てを込めて、今までで一番激しく、ご主人様のものを貪るようにしゃぶり尽くす。
「ふぁい、ぐぉしゅじんぐぁま……ごぉれかりゃも、あかりゅは、しょうじん、しばぁしゅ……!」
涎と涙でぐしゃぐしゃになった顔で、咥えたまま必死に答える。
その姿に興奮したのか、ご主人様の性器が限界まで硬く膨れ上がった。
両手で安香里の頭を鷲掴みにし、喉の奥深くへと突き入れてくる。
息ができない苦しみと、絶頂が近いことを示すご主人様の熱。
窒息寸前で解放され、息継ぎをすると、また深く押し込まれる。
「んぐ、んんぐぐ」
意識が朦朧とした頃、喉の奥で熱い奔流が放たれた。
「吐くな。口の中でよく噛んで、味わえ」
命令通り、逆流してくる胃液ごと、ご主人様の全てを咀嚼する。
「安香里、どうだ、美味いか、もう飲み干してもいいぞ」
一口ずつ喉を通る度に「ん、ぐほっ、ん、げほっ」と逆流するのを堪えながら飲み込むと大量の涙が溢れて頬を伝ってきます。
安香里は一滴残らず飲み干した。
涙でぐしょ濡れの顔を見つめ、ご主人様が言う。
「安香里、私はその泣き顔が一番好きだ。さあ、こっちへおいで」
引き寄せられ、何か月ぶりかわからないほど強く抱きしめられる。
(ああ、なんて幸せ者なの、オーディションにも合格して、こうやって抱き締めて貰えるなんて)
オーディションに合格し、こうして腕の中にいられる。
安香里は、自分は世界で一番の幸せ者だと思った。
「明日は芸能事務所との契約だ。あの会社へ行きなさい」
ハンカチを手渡され、安香里は夢見心地で頷いた。
翌日。
契約当日の朝、日課である朝の御奉仕を終え、オーディションの時と似た淫らな装いでビルへ向かう。
だが、安香里の心は以前とは違っていた。
芸能界へ進むのだ。
注目を浴びることは、もはや快感ですらあった。
一階の受付嬢は、安香里が契約に来たことを告げると、前回とは打って変わって丁寧な態度でラウンジへと案内した。
やがて、専属マネージャーになると名乗る渡辺氏――オーディションの時に安香里を案内した若い男――が現れた。
「マネージャーの渡辺です、細野さんの専属マネージャーとなりますので、今後ともよろしくお願いいたします、分からない事が多いと思いますので、何でも聞いてくださいね」
「あっ、細野です、先日はありがとうございました、渡辺さんがマネージャーさんになるんですね、こちらこそ、何も分からない事ばかりなので、その時はよろしくお願いいたします」
エレベーターに乗り、13階の小さな部屋へ案内される。
中には専属のスタイリストとヘアメイクだという、お洒落な男性が二人いた。
「お二人は細野さん専属のスタイリストさんとヘアメイクさんです、こちらがスタイリストのゼブラさんで、こちらがヘアメイクのYOSHIOさんです」と渡辺さんからご紹介されます。
彼らは挨拶もそこそこに部屋を出ていき、安香里は渡辺と二人きりになった。
「それでは、弊社との専属契約を結びます」渡辺は鞄から二種類の書類を取り出した。
一枚目は、文字がびっしりと並び、難解な言葉で書かれた契約書だった。
正直、内容はほとんど理解できなかったが、「私生活や出演作品の全権利を弊社が所有し、代わりに衣食住の全てを弊社が負担する」という渡辺の説明に、安香里は感激し、言われるがままに署名、捺印した。
そして、二枚目の書類を手に取る。
それは、驚くほどシンプルな書式だった。
だが、そこに書かれた文字を、安香里はすぐには理解できなかった。
サークル入会申込書
調教サークルS.S.T 様
私は以下の内容に同意し、【調教サークルS.S.T】へ入会を申し込みます。
- 私はサークル会員の共有物となり、性行為の相手はサークル会員のみとする。
- 私はサークル会員から求められる、いかなる性的行為も受け入れる。
- 私はサークル会員から指定された下着・装飾品・服装・外見を厳守する。
- 私はサークル会員に対し避妊責任を求めず、自らの責任において避妊を管理する。
- 私はサークル会員のために常に向上心を忘れず、性的快楽を探求し続ける。
尚、会員との間に、金銭の授受は発生しないものとする。
「こ、これ、は……何です、か……?調教サークル、S.S.Tって……?」
震える声で問い詰めると、渡辺は表情一つ変えずに答えた。
「先日、オーディションで貴女を審査した6名が設立した、大人のためのサークルです。須藤様も、もちろん会員ですよ」
(うそ、この前の事、マネージャーの渡辺さんは知っていたなんて、たぶん、何をしていたのかも知っているはず、それに6人と言う事はご主人様もその中にいらっしゃるのね)
その瞬間、全てのピースが繋がった。
オーディションも、合格も、すべてはこの申込書にサインをさせるための壮大な舞台装置だったのだ。
ご主人様も、あの男たちも、全員がグルだった。
頭の中で何かがぷつりと切れる音がした。
抵抗も、絶望も、もはや意味をなさない。
安香里は、まるで他人の手のように動く自分の手で、その申込書にも日付と本名を書き入れ、判を押した。
「契約は以上です。近々、新人女優デビューの記者会見を行いますので、スケジュールは後日連絡します」
素っ気ない渡辺の言葉を背に、安香里はビルを後にした。
帰り道、動悸を抑えるために駅前のカフェに入る。
温かいココアを注文し、もう一度、あの申込書の控えを広げた。
そこに書かれた五つの条項。
それは、畑野安香里という一人の人間の終わりと、「女優」という名の奴隷の誕生を告げる、絶対的な契約書だった。
これから始まる新たな舞台で、自分は一体どんな役を演じさせられるのだろう。
安香里は、震える手でココアを一口飲むと、窓の外の喧騒を、ただ静かに見つめていた。
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