第三章【奴隷になる覚悟】中山優子(25歳)からの告白

あの夜、須藤さんに処女という名の薄い膜を破られて以来、私の毎日は変わってしまった。

仕事中も、食事中も、頭の中は須藤さんのことで占められ、早くあの肌に触れたい、あの声を聞きたいという渇望が、身体の奥で疼き続けた。

「会いたくて、会いたくて、仕方が無い、、、」

そのどうしようもない渇望を、日々の雑務で必死に押さえつける。

だから、休日の前日だけは、もう我慢ができなかった、私は仕事を無理やり終わらせ、逃げるように家路を急いだ。

(今日、会える……!)

急いで、団地の自室へ駆け込むと、シャワーも浴びず、いつもとは違い、念入りに化粧を施す。

慣れない手つきでファンデーションを塗り、アイラインを引く。

大人の仲間入りをしたのだから、もう子供っぽい格好はできない。

クローゼットの奥から、先日買ったばかりの、身体の線が浮き出るタイトなミニスカートに着替える。

少しでも大人びて見えたくて、胸元が大胆に開いたブラウスを選んだ。

須藤さんに「女」として見てもらいたい。

その一心だった。

私なりに、精一杯の努力だった。

今日で、彼の家へ行くのは二度目になる。

マンションの玄関に着き、インターホンを鳴らす指が、期待で震えた。

心臓の音が、耳元で激しく鳴り響いている。

『優子か?よく来たね、今、開けるよ』

オートロックの解除音と共に、私は現実から切り離された。

エレベーターが9階へと上昇する、わずか数十秒。

あの短い上昇時間ですら、緊張で息が詰まりそうだった。

その無機質な空間で、私の心臓だけが激しく鼓動していた。

いつものように、穏やかな笑みを浮かべた須藤さんが、私を招き入れた。

(会えた……!)

その顔を見た途端、募りに募った想いが溢れそうで、どうしてもまっすぐに見ることができない。

喜びと緊張が入り混じり、私はただ俯くだけだった。

ダイニングへ通されると、テーブルの上には、もう二人分の夕食が綺麗に並べられていた。

(……私が、何も食べずに急いで来ることを、知っててくれたんだ)

(やっぱり、この人だ。私が愛してる人は、こんなにも素敵な人なんだ……)

「夕飯、まだだろう。お腹が空いてるんじゃないか?私もペコペコでね」

「うんっ!」

咄嗟に、いつもの子供っぽい返事が出てしまった。

その瞬間、須藤さんの目つきが、ほんの一瞬、氷のように冷たくなった気がした。

(あ……違う……!)

「あっ……はい……!私も……お腹、ペコペコです……」

慌てて言い直す。

(……今、少し、怖かった……)

身体を許してから、何となく感じていた。

彼が時折見せる、私を試すような、サディスティックな一面。

でも、それが嫌だなんて少しも思わなかった。

それは、礼儀を重んじる、大人の男性の厳しさなのだと、私は解釈していた。

夕食の時間は、あのファミレスでの団欒と変わらず、ただ幸せな時間だけが過ぎていく。

お酒に弱い私が勧められるままに飲んだコップ一杯のビールが、私の緊張をさらに解きほぐしていった。

食後、ソファで談笑しながら、私はすっかりほろ酔いになっていた。

(……あたまが、ふわふわする……)

理性が、ゆっくりと溶けていく。

いやらしい気持ちとは違う。

(……触れたい。抱きしめられながら、肌を感じたい……)

その純粋な欲求が、身体の奥から湧き上がってきた。

私の、熱っぽい顔色や、いつもより甘えた声のトーンで、全てを察してくれたのだろう。

須藤さんは、何も言わずに私の肩を抱き寄せ、静かにキスをしてきた。

酔いと欲情で、身体から力が抜けていく。

私は、すべてを彼に預けた。

無言のまま手を引かれ、ベッドルームへと導かれる。

「……もう、分かっているね。この前と同じように、しなさい」

(……同じように……)

ベッドの脇に立ち尽くした私は、教わった通りに、スカートのファスナーに手をかけ、スカートを脱ぎ、ブラウスのボタンを外していく。

彼に見られているという事実だけで、指先が震えた。

下着姿になった私に、彼が問いかける。

「ブラジャーは、外さなくていいのかい?……乳首が、感じると言っていたね」

(……覚えてて、くれたんだ)

あの、自分でも持て余していた、歪んだ性癖。

それを彼が受け入れ、そして、求めてくれている。

その事実が、私をたまらなく興奮させた。

(責められたい……でも、本当に責められたら、私、どうなっちゃうんだろう……)

期待と恐怖が、私を縫い止める。

言われるがままに、背中のホックに手をかける。

カチリ、と小さな音がして、私を支えていた最後の布が滑り落ちた。

ベッドに横たわり、羞恥心から、思わず胸元を両手で覆う。

「……まだ、恥ずかしいんだね」

彼の声が、すぐそばで聞こえる。

「……でも、私に、ちゃんと見せてごらん」

その優しい命令に、私はそっと両手をほどいた。

二つの小さな乳房と、硬く尖った乳首が、彼の視線に晒される。

酔いのせいか、期待のせいか、全身のアドレナリンが暴走していくのがわかった。

「……とても、きれいだ。かわいい乳首だね」

その言葉だけで、嬉しさと恥ずかしさが入り混じり、下腹部の奥が熱く、疼き始める。

彼の指が、触れるか触れないかの、もどかしい愛撫で、私の首筋から乳房へと、焦らすように這ってくる。

それだけで、息が詰まり、声が出そうになる。

やがて、その指が左の乳首に辿り着き、親指と人差し指で、少し強めに”きゅっ”と摘み上げられた。

「ん、んん……っ!」

我慢していた声が、漏れてしまう。

(恥ずかしい……!恥ずかしい、のに……すごく、気持ちイイ……!)

「そうか。やはり、優子は乳首なんだね」

彼は、全てを知っているかのように呟いた。

「……特に、右の乳首が感じやすいと、言っていたね」

そういうと、今度は左手で、右の乳首を、さっきよりも強く、捻るように摘み上げられた。

「あっ……!だめ、それ……っ!」

その声を合図にしたかのように、両方の乳首が捕らえられ、さらに力強く、回転するように捻り上げられていく。

「も……っ、むり……!」

「無理、かい?……”無理”というのは、”気持ちがいい”ということだね」

「う……あっ、は、はい……!」

もう、我慢の限界だった。

本音を言えば、もう、イってしまいそうだった。

「そうか。……じゃあ、そろそろ、ここを確認しないといけないね」

彼の冷たい手が、私のパンティーへと伸ばされる。

(あ……!)

すっかり熱くなり、身体が本能的に反応し、濡れているのは自分でも分かっていた。

「すごく熱くなっているね。体温が、布越しに伝わってくるよ」

「……うん、すこし、湿っているな」

その、いやらしい言葉の一つ一つが、私をさらに昂らせ、下半身を疼かせる。

彼の手がパンティーのゴムを掴み、ゆっくりと引き下げられていった。

膝のあたりまで下げられた、その時。

「はっ!」と、我に返った。

(……うそ、どうしよう……!)

須藤さんに会える嬉しさで、お化粧と洋服にばかり気を取られて、下着のことまで、気が回らなかった。

仕事で一日中穿きこんだ、汗と……たぶん、微かなオリモノで汚れたパンティー。

それに追い打ちをかけるように、さっきの愛撫で溢れた、大量の愛液が、きっと、無残に染み込んでいるはず……。

「ご、ごめんなさい……!待って……!」

そう言って片手でパンティーを掴もうとしたが、時すでに遅く、それは”するする”と、無情にも足元まで引きずり降ろされてしまった。

須藤さんは、そのパンティーを手に取ると、ゆっくりと自らの鼻に近づけ、その匂いを深く吸い込んだ。

「……うん。これが、優子の匂いなんだね」

「いやあっ!」

(恥ずかしい……!恥ずかしい!でも、どうして……頭が、ボーッとしてくる……)

彼はさらに、”ヌメヌメ”と湿った一番汚れた部分を親指でなぞり、満足げに笑いながら言った。

「……まだまだ、処女の気持ちが抜け切れていないようだね」

「でも、その初心さは、決して忘れてはいけないよ」

(ああ……恥ずかしい……恥ずかしすぎる……!なのに、この胸騒ぎは、なに……?)

全てを晒け出し、全てを悟られている。

この感覚は、人生で味わったことのない、歪んだ充実感に満ちていた。

「さあ、じゃあ、練習も兼ねて、私の方も楽しませてくれないかな」

私と入れ替わるように、須藤さんがベッドに仰向けになる。

ぎこちない手つきで彼のベルトを緩め、ズボンを下ろしていく。

教わった通り、舌を使い、下着の上から彼の分身を舌で湿らせていく。

溢れる唾液が、布地をじっとりと濡らしていく。

完全に大きくなる前に、歯でウエストのゴムを噛み、ずり下げていく。

露になったそれを、口にいっぱい含んだ唾液が漏れないよう、慎重に舐め上げていく。

(……がんばらなきゃ……)

必死に、教わった通りに舐め上げていくと、まだ少し柔らかいそれが、徐々に熱を持ち、脈打ち、私の口には収まりきらないほどの硬い楔へと変貌していく。

その時だった。

「……優子、歯が当たっているぞ」

彼が、静かに言った。

「あっ……!痛かった、ですか……?ごっ、ごめんなさい……!嫌いに、ならないで……」

(怒られた……!難しい……次は、もっと、喜んでもらえるように……!)

「嫌いになる?ははは、最初はみんな、そんなもんだ。気にするな」

彼は笑ってくれた。

「その代わり、家に帰ったら、必ず毎日練習しなさい。……いいね?」

「……はい」

「バナナでも、胡瓜でも、身近にあるもので練習できるから」

(……練習……)

それは、恋人同士の会話ではなかった。

なのに、彼が起き上がり、私を強く抱きしめてくれた瞬間、私の心は歓喜に震えた。

(だい……だい、だいすき……!)

耳元で囁いたつもりだったけど、きっと、彼には聞こえていない。

抱きしめられたまま、身体の向きを変えられ、そのままベッドに押し倒され、彼が私を見下ろす。

「優子の一番恥ずかしい場所が良く見えるように、膝を立てて、脚を大きく開きなさい」

言われるがままに、脚を開く。

「まだだ。……そうだ、その両手で、優子自身の手で、そこを広げて見せなさい」

容赦のない声が飛ぶ。

「……っ!」

(すごく……すごく、恥ずかしい……!全然、慣れない……!)

「そういえば、優子のココは……随分と、毛が濃いんだな。中が良く見えないじゃないか」

「あ……」

(……言わないで……そんなこと……)

自らこじ開けた、濡れた秘芯に、彼の指が侵入してくる。

“クチュ、クチュ”と、生々しい水音が部屋に響く。

「一本、二本……三本はどうだ」

「うぅ、ん……っ、少し、痛い、かも……でも、気持ち、イイ……」

「そうか。じゃあ、そろそろ、本物を入れようか」

大きく硬くなった先端が、濡れた入り口に押し当てられる。

「痛いっ……!」

「……そうか。まだ半分処女みたいなもんだからな。……じゃあ、ゆっくり、広げていこう」

その優しい言葉とは裏腹に、残りのすべてが、一気に奥まで突き入れられた。

(ああ……!)

痛みで身体が強張る。

声も出ない。

なのに、不思議と、幸せだった。

(抱かれてる……肌と肌が、触れ合ってる……!)

ただそれだけで、痛みは甘美なものに変わっていった。

「……はぁ、はぁ……」

まだ、喘ぎ声もぎこちない。

「……優子は、まだ痛いみたいだな」

「う……うん……で、も……きもち、いい……よ……」

肉体的なオーガズムには程遠い。

けれど、私の心は、彼に愛されているという実感だけで、とっくに満たされていた。

「SEXが嫌いになってもらっても困るからな。……そろそろ、イかせてもらうよ」

腰の動きが激しくなる。

痛みが増すのと比例して、愛されているという感情も、どんどん膨れ上がっていく。

「出すぞ!いいな、出すからな……!」

その言葉と同時に、膣から彼の楔が引き抜かれた。

教わった通り、私は慌てて口を目一杯に広げて、待つ。

そこに、彼の熱い先端がねじ込まれた。

「うっ……うう……っ、気持ちいい……ふぅ……優子……」

(嬉しい……私の身体で、須藤さんが、気持ち良くなってくれた……)

「……全部出すまで、口に溜めておきなさい」

「んぐ……んん……ぐゎかった……」

彼の”本当の分身”が、口の中で、何度も何度も弾ける。

「口を開けて、中を見せなさい」

こぼさないように、口を半開きにして、彼に見せる。

彼が、その白い濁流を確認する。

「よし。じゃあ、飲み込みなさい。……ゆっくり、味わって飲み込みなさい」

一口ずつ、飲み込むたび、粘り気のあるそれが喉に絡みつく。

(この前よりも、苦くて……濃い味がする……)

「美味しかったかい?」

「うぅん……ちょっと、苦かった、かな……でも、おいしかった、です……」

「そうか。……それより、何か忘れていないか?この前も教えたはずだぞ」

「あっ……!」

(ダメだ、すっかり舞い上がって、忘れてた……!)

「優子の”いやらしい液”で汚れてしまったココを、しっかりときれいにしてもらわないとな」

「……はい!ごめんなさい……!」

私は、慌てて彼のまだ少し硬い”分身”を、もう一度口に含み、夢中で舐め清めた。

「……優子」

その最中、ふいに名前を呼ばれた。

顔を上げると、須藤さんは私を抱き起こし、深く、深く、口づけてきた。

まだ私の喉の奥に残っていた彼の味と、私の唾液が混じり合う。

(好き……もう、ほんとうに、好きすぎる……ぜったいに、離れない……)

しばらく、無言で抱き合ったまま、彼の鼓動を聞いていた。

やがて、彼が私の髪を撫でながら、静かに言った。

「……優子、好きか。私の事」

「……はい。でも、どうして……?」

「なら……うすうす、気づいているだろう?」

(……気づいてた。ずっと前から。ファミレスで会っていた頃から……)

(この人は、普通の人とは違う。私を、私じゃない何かに、変えてくれる人)

(だから、もう、覚悟はできてる……)

「…………はい」

少しだけ考えて、私は返事をした。

「じゃあ、いいかい。良く聞きなさい」

彼は、私を抱きしめたまま、いくつかの「約束事」を告げ始めた。

それは、私が彼の「所有物」になるための、儀式だった。

陰毛を、常に剃毛すること。

ノーブラ、ノーパンで生活すること。

生理であっても、奉仕を拒まないこと。

排泄や性行為を、すべて日記に記録し、管理されること。

「……優子は、私に会いたいかい?会いたいなら、できるね?」

(そんな、悲しいこと言わないで……会いたいに決まってる……)

「でも……まだ、経験してないことも、あるよ……」

(何でも言う事を聞くから……だから、お願い……私といる時だけは、私だけを見ていて……)

「そうだな。……少しずつ、一つ一つ、経験していけばいい。……いいね」

(こんなに、こんなに好きなのに……!)

「……うん。……分かった……」

その言葉を口にした途端、なぜか、理由もわからず、涙が溢れて止まらなくなった。

(お願い……他の女の子たちと、比べないで……)

その、あまりに切ない乙女心は、喉まで出かかったけれど、決して声には出せなかった。

須藤さんは、何も言わずに、ただ強く、私を抱きしめてくれた。

(……この気持ち、伝わって……)

私は、彼の胸の中で、静かに、すべてを受け入れる覚悟を決めた。

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