どれくらいの間、そうしていただろうか。
彼の胸の中で、私は、これから始まる未知の世界への恐怖と、この人に全てを委ねられるという甘い陶酔の間で、揺れていた。
でも、もう、それで良かった。
普通ではなかった私が、初めて「ここにいていい」と許可されたような、そんな歪んだ安心感が、私の全身を満たしていた。
昨夜、須藤さんの胸の中で泣きながら頷いた「約束」。
それが、ただの夢ではなかったことを、私は翌朝の冷たい空気の中で思い知らされた。
(……もう、私は、昨までの私じゃないんだ……)
彼が私に課した、奴隷としての証。
陰毛を剃ること。
ノーブラ、ノーパンで生活すること。
そして、自慰を含めたすべての性行為を、日記のように報告すること。
翌朝。
と言っても、もう窓の外は白み始めていた。
「おはよう、優子。よく眠れたかい?」
「はい…」
返事をする私に、須藤さんはいつもと変わらない、優しい声で言った。
「……優子、午後から予定があってね。そろそろ、行かないと」
その言葉に、私は現実へと引き戻される。
(……もう、行ってしまうの?もっと、ずっと、こうしていたいのに……)
その切ない乙女心を見透かしたかのように、須藤さんはクローゼットから小さな紙袋を取り出した。
「帰り際で悪いんだが、これを持って行くといい」
渡されたのは、数冊のSM雑誌でした。
「この雑誌は私の愛読書でね、毎月定期購読しているんだよ」
「優子も、興味があるんじゃないかな。……良ければ、何冊か持っていきなさい」
袋の中から取り出した雑誌の表紙を見て、私は思わず息をのんだ。
縄で縛られ、恍惚とした表情を浮かべる女。
吊るされ、鞭打たれる女。
どれも、小学生の頃、密かに覗き見た、あの背徳的な世界そのものだった。
(……っ!)
思わず、息を呑む。
“パラパラ”とページをめくると、私の拙い妄想を遥かに超えた、衝撃的な写真と文字が目に飛び込んできました。
(うそっ、こんな事まで!……えっ、ほんとうに……?)
「どうだい…?」
須藤さんが、穏やかな声で尋ねます。
「は、はい……。た、楽しみ、です……。ちゃんと、勉強します……」
興奮で、声が上擦るのがわかった。
「勉強」という言葉が、意図せず口から滑り出た。
「それと、昨日の約束事だが……覚えているね」
昨夜、私が彼の「所有物」になるために交わした、甘い誓い。
(明日の朝、起きた瞬間から、優子は私の所有物なんだから……いいね)
「……明日の朝から、と言いましたけど……」
「ああ。その明日の朝が、今、来たんだよ」
パジャマ代わりに借りていたスウェットを脱ぎ、私は下着姿のまま、彼の前に立ち尽くす。
恥ずかしさに俯く私に、彼は静かに命じた。
「全部、脱ぎなさい。……今日から、それはもう、優子には必要ないものだ」
(……捨てるんだ。私の、日常を……)
そのブラジャーとパンティーにも、手をかけた。
震える手でホックを外し、パンティのゴムを足首まで下ろす。
彼の前で、自らの意志で全裸になる。
生まれたままの姿になった私を、彼は品定めするように見つめた。
そして、私が着てきたブラウスとタイトスカートを手渡す。
「これを、着て帰りなさい」
「……この、まま……ですか?」
「ああ。それが、最初の約束だからね」
(ブラジャーも、パンツも、なしで……?外を、歩くの……?)
頭が真っ白になる。
来る時に着ていた、ミニ丈のタイトスカートと、胸元の大きく開いたブラウスを、再び身に着ける。
(……これからは、ずっと、この生活が始まるのね……)
ブラジャーを着けていない乳首の形が、薄いブラウス生地の上から、くっきりと透けて見えてしまっている。
椅子に座れば、スカートの中は、間違いなく……。
鏡の前で髪をとかし、帰宅の準備を整えます。
私が脱いだばかりの下着をバッグに仕舞おうとすると、須藤さんの手がそれを奪い取った。
「それを、こちらに」
「えっ……?」
「それは、私が処分しておこう。優子が、もう二度と迷わないようにね」
「は、はい……分かりました……」
(あっ……昨日、彼に会うために新しく買った、お気に入りの下着……。もう、二度と、普通の女の子には……)
切ない乙女心が、チクリと痛んだ。
「代わりに、これを持って帰りなさい」
そう言って渡されたのは、アダルトビデオでしか見たことのないような、小さな、小さな……布地がほとんどない、真っ赤なランジェリーでした。
それは、布地と呼べる部分がほとんどない、紐のような代物だった。
玄関のドアを開けると、冷たい小雨が降っていた。
(寒い……)
最後にお別れを言おうと振り返った私を、須藤さんは何も言わずに引き寄せ、深くキスをした。
それは、昨夜までの優しいキスとは違う、所有権を刻み込むような、熱い烙印だった。
「……また、会いたくなったら、いつでも来なさい」
「うん、わかっ……あっ、はい……!分かりました……!」
(……私の気持ち、バレてるのかな……)
自分の気持ちを悟られたくなくて、私は慌てて玄関のドアを閉めた。
エレベーターが9階に着き、ドアが開くと、中にいたサラリーマンの男性と目が合い、私は反射的に両腕で胸を隠しました。
(……!)
咄嗟に、透ける乳首が気づかれないよう、バッグで胸元を隠す。
(見られた……?いいや、バレるはずない……!)
コートを着ていない薄いブラウス一枚。
スカートの下は、なにもない。
その事実が、私の全身の血を沸騰させた。
小走りでコインパーキングまで走り、車に乗り込んで、大きく深呼吸をする。
(……私、あの人に、気づかれたかな……)
やっと訪れた一人の空間で、羞恥心と、奇妙な高揚感が、私の中で混ざり合っていきました。
(……恥ずかしい。恥ずかしい。でも……)
家路を辿る間中、あのエレベーターでのスリルが、私を苛み続けていた。
家に着き、リビングですれ違った母の無邪気な声が、私の胸に突き刺さった。
「……優子、ブラジャーしてないのかい?珍しいね……」
雨に濡れたブラウスが、乳首の形をくっきりと浮かび上がらせていた。
(……もう、普通には、戻れないんだ……)
休日の午後。
部屋に戻り、須藤さんから渡された、あの”小さな下着”を袋から取り出した。
真っ赤に染まった、娼婦のようなランジェリー。
鏡の前に立ち、全裸になる。
ブラジャーは、乳房を覆う布地が一切なく、カップをえぐり取ったデザイン。
パンティは、赤子の手で握りつぶせてしまうほどの小ささで、まだ剃毛していない陰毛が、恥ずかしげもなくはみ出した。
鏡の前に立つと、そこには、私が知っている「私」ではない、淫らな女が立っていた。
(こんなの、着れない……!でも、これは、あの人の「命令」……)
そして、私は、彼から渡された「教科書」を手に取った。
1ページ、また1ページと、貪るように読み耽る。
そこには、私の知らない快感の形が、溢れんばかりに記されていた。
(うそ……こんな責め方があるんだ……こんなので、イっちゃうの……?本当に、こんな……)
それは、私の幼い頃からの歪んだ妄想を、遥かに超える現実だった。
特集記事、読者の投稿。
その生々しい体験談は、私の奥底に眠っていた何かを、容赦なく呼び覚ました。
三冊目を読み終える頃には、どれほどの時間が経っただろうか。
我に返り、下腹部に手をやると、あの小さなパンティーは、私の身体から溢れた蜜で、じっとりと濡れそぼっていた。
雑誌で得た知識が、私の身体を未知の領域へと導いていた。
(……そうだ。さっきの、あのスリル……)
私は、まるで何かに取り憑かれたように、さっき脱いだブラウスとタイトスカートを、再び身に着けた。
あの、淫らなランジェリーの上から。
玄関で靴を履いていると、「雨なのに、出かけるのかい?」と母の声がした。
「……うん。ちょっと、コンビニまで」
母の声を背中で聞き流し、私は傘を手に、そそくさと家を出た。
ノーパン、ノーブラだった時とは違う。
今は、あの淫靡な「証拠」を身に着けている。
薄手のカーディガンを羽織っているとはいえ、乳首を浮き出したまま、しかもあの淫らな下着を着けている。
すれ違う人の視線が、まるで私の肌を直接撫でているようで、不安が頭をよぎる。
だけど、歩数を進めるたび、胸の鼓動はどんどん激しくなっていく。
(恥ずかしい……バレたら、どうしよう……)
胸がソワソワする。
この背徳感が、たまらなく楽しい。
(恥ずかしい……でも……た、の、し、い……かも……!)
数分先のコンビニ。
コンビニに着き、用もないのに店内をうろつく。
顔見知りの店員が、レジで退屈そうに私を見ている。
(……バレてる?スカートの下が、こんなだって……)
わざと、顔見知りの店員のレジの前を通り過ぎ、何も買わずに外へ出た。
「ありがとうございました」
(はぁ……焦った……バレてるはずないのに……なんだろう、このドキドキ……)
(もっと……もっと、興奮したい……!)
勢いに乗ったアドレナリンが、私を団地の外れにある、あの公園へと導いた。
このドキドキを、もっと味わいたくて、カーディガンのボタンを全て外しました。
あえて人通りの多い道を選び、ゆっくりと、見せつけるように歩きました。
(雑誌だと……確か、この後……)
公園の外れにある、薄汚れた公衆便所。
雨の降る夕方の公園に、人影はない。
傘を閉じ、女子トイレの錆びたドアを開ける。
「うっ……」
ツンと鼻を突く、公衆便所特有のアンモニア臭。
いつもなら気分を害するはずのその匂いが、今日ばかりは、惨めな私を包み込む、特別な媚薬のように感じられたのです。
一番奥の個室に入り、鍵をかける。
(ふぅ……ふぅ……)
深呼吸をするたびに、薄汚れた現実が私を惨めな気分にさせる。
だが、それこそが、雑誌で読んだ「凌辱」の入り口のようだった。
誰もいない。
私だけ。
カーディガンを脱ぎ、ブラウスのボタンを外す。
真っ赤な「ブラジャー」が露わになり、私の興奮を晒け出す。
スカートを、汚れた床につかないよう慎重に脱ぎ、フックにかけた。
赤いランジェリーだけを纏った半裸の姿。
私は、変質者そのものだ。
音を立てぬよう、耳を澄ます。
雨音だけが、私の鼓動を隠してくれていた。
(……練習、しなきゃ)
高揚した身体が、自慰を求めた。
雑誌で読んだ通りに、自らの乳首に触れる。
敏感な右の乳首に指が触れる。
尖ったそこを、手のひらで転がす。
もう、十分硬くなっていた。
「んぅ……っ」
声が出そうになるのを、必死で唇を噛んで堪える。
パンティーの上から、右手で、秘部をまさぐる。
そこは、もう洪水のように濡れそぼっていた。
(す、すごい……こんなに濡れたの、初めてかも……)
多汗症の私の身体は、興奮するとすぐに汗ばむ。
けれど、これは汗じゃない。
指を滑り込ませ、溢れ出た蜜で、クリトリスを直接刺激する。
“クチュ……ジュルッ……” と、指が熱い蜜をかき分ける音が、狭い個室に響く。
粘り気のある溢れ出た粘液を指に取り、クリトリスに塗り込めた。
「んぅ……ふっ……ふぅ……っ」
もう、我慢できない。
(なに……この……感覚……っ)
全身の血が逆流し、視界が白く染まる。
周りの気配を窺う余裕は、もうなかった。
(……だめ。声、出ちゃう……!)
絶頂が近づくと、腰が勝手に”ガクガク”と動き、太腿が”ブルブル”と震え出す。
もう、立っていられない。
「イッ、イッ……クッ……!」
抑えきれなかった喘ぎ声が、狭い個室に響いた。
もし誰かいたら、確実に聞こえてしまう。
脚から力が抜け、私はその場にしゃがみ込む。
(……聞こえた、かな。誰か、いないよね……)
我に返るまで、どれほどの時間、汚れた床に尻をついていただろうか。
手洗い場で手を洗う水が、燃え盛る肌に、やけに冷たかった。
何事もなかったかのように平然と自室へ戻り、シャワーを浴び、母と退屈な夕食をとった。
髪を乾かし、パジャマに着替え、iMacの電源を入れる。
これは、彼に課せられた、新しい「義務」でした。
何を書いていいか分からず、ただ、赤裸々な事実だけを、震える指で打ち込んだ。
(……こんなことまで、報告するの……?でも……)
『須藤さん、今日からメールでご報告しますね。
早速、頂いたランジェリーを着てみました。
すごく恥ずかしかったです。
雑誌を読んだら、我慢できなくなって、そのまま露出散歩……
コンビニまで行って、それから、公園のトイレで……
(中略)
……トイレでのオナニーは、すごく興奮しました。
今月の生理予定日は、〇〇日頃です。
ごめんなさい、毛は、まだ怖くて剃れてません。
それでは、おやすみなさい。
P.S. 次のお休みは、来週の木曜日です』
翌朝。
仕事中も、隠れて会社のパソコンでメールをチェックをした。
だが、彼からの返信はない。
(……怒らせたかな。露出オナニーなんて、はしたないって……嫌われたかな……)
終業間近、もう一度、メールを確認してみると一通のメールが。
(……須藤さんだ!)
『良い子にしていたね。
そして何より、順調じゃないか。
報告、ありがとう。
興奮したよ。
来週の水曜日、夜を空けておきなさい。
……それまでには、約束通り、きれいな身体になっているんだよ。
いいね』
(うれしい……!また、会える……!)
(うん……大丈夫……信じて、待ってて……)
そのメールを、何度も何度も読み返しました。
その約束が、私にとって、次の試練であり、何物にも代えがたい「ご褒美」だった。
そして、待ちに待った水曜日。
仕事を早々に切り上げ、お風呂場で、約束通り、カミソリを手に取りました。
(……これで、本当に、須藤さんのものに……)
「家で待っていなさい」という、いつもと違う命令。
化粧を直し、電話が鳴るのを待ちます。
雑誌をめくりながら待つ時間は、期待で、私の身体をじっとりと湿らせた。
多汗症のせいで、脇も、胸の谷間も、”ジットリ”と汗ばむ。
午後9時過ぎ、携帯が鳴った。
「コンビニに着いた。車で待っている」
バッグを掴み、家を飛び出す。
夜だというのに、梅雨時の空気は生暖かく、湿気が肌に纏わりつく。
コンビニに着く頃には、額や首筋、そして脇の下にまで汗が “タラタラ”と流れ落ちていた。
エアコンが効いた店内に、ラフな格好の須藤さんが見える。
(……入れない)
こんなに薄いブラウス、ライトに照らされたら、ノーブラなのが丸見えになってしまう。
ガラス窓の前を行ったり来たりして、彼に存在を知らせる。
やっと気づいた彼が、呆れたような、それでいて楽しそうな顔で出てきた。
「どうしたんだ、その汗は。中に入ればよかったのに」
(……いじわる。わかってるくせに……)
車に乗り込むと、エアコンの冷たい空気が、燃え立った肌をスーッと撫でていく。
「あぁ……すずしい……きもち、いぃ……」
その、安堵の息が漏れた瞬間。
不意に、右の乳首を、服の上から”きゅっ”と摘ままれた。
「んぅう……っ!」
(もう、始まるの……?きょうは、なに……?)
キスを期待して目を閉じた私を無視して、車が走り出す。
「どこへ行くの?」
「ちょっと、人気の無い所へ」
車が停まったのは、団地の裏手にある、あの公園の駐車場だった。
「優子には、コレに着替えてもらうよ」
バッグから取り出されたのは、子供服のような小さな白いTシャツと、薄手の白いホットパンツ。
「……ここで、ですか?」
「ああ」
薄暗いとはいえ、ここは路地裏。
誰かが見ているかもしれない。
その恐怖が、私の汗腺をさらに開かせた。
“ジットリ”と汗が噴き出す中、薄暗い車内で、一枚ずつ服を脱いでいきます。
全裸になり、恥ずかしそうにモジモジしている私を見て、須藤さんが言いました。
「もう少し、良く見せてごらん」
「……脚を開いて」
両脚を”グッ”と広げられ、剃り残しがないか、指でなぞるようにチェックされます。
「……ちゃんと、きれいにしてきたね。まるで、赤ちゃんみたいじゃないか」
「そ、そうなの……でも、うまく、できなくて……」
(……!よかった……約束、守れた……)
嬉しさで、胸がいっぱいになりました。
「さあ、着替えなさい」
丈の短いTシャツは、汗で濡れた肌にピッチリと張り付き、硬くなった乳首の形を”クッキリ”と浮かび上がらせる。
ホットパンツは、私のお尻をギリギリ包み込む。
だが、薄い生地は、剃毛したばかりの股間に密着し、”クッキリ”と一本の筋を描き出した。
「……少し、歩こうか」
須藤さんは、私を振り返りもせずに車外に出た。
「ま、待って……!」
手を繋ぎ、公園内を歩き出す。
夜遅くとはいえ、犬を散歩させる人影が見えた。
湿度の高い外気が、汗でさらに湿ったTシャツを、肌に貼り付かせる。
(あ……)
歩くたび、小さなホットパンツが、敏感な場所の筋に沿って、”キュッ、キュッ”と食い込んでくるのが分かりました。
(……食い込んで、見えてる……!)
“チラリ”と股間を見ると、生地が食い込み、大陰唇の輪郭が半分、顔を覗かせていた。
(どうしよう……こんなかっこうで、人に見られたら……)
その恐怖とは裏腹に、私の鼓動は激しくなっていく。
犬を散歩させていた男性が、こちらへ向かってくる。
須藤さんは、わざと、その進路を遮るように歩き出した。
すれ違う、数秒。
男性の目が、私を捉えた。
その視線は、私のTシャツに浮き出た乳首から、股間の不自然な食い込みへと、這うように動いた。
(……見られた!)
男性と目が合った瞬間、恐怖と興奮で、未知の感情が爆発し、繋いだ手を”ギュッ”と握りしめました。
「……今のは、どうだった?」
「……はず、かしい……っ」
私の声は、荒い息に混じって途切れ途切れだった。
繋いだ手は、もう “びっしょり”と汗で濡れていた。
「あのベンチで休もう」
15分ほどしか歩いていないのに、私はもう、疲労困憊だった。
「優子、興奮してるね。手にも、こんなに汗をかいて」
汗で張り付いたTシャツの上から、硬くなった乳首を優しく転がされます。
「ほら、ここ。汗でTシャツの色が変わってる。……乳首も、こんなに硬くして」
「……ん……っ」
「でも、身体は正直だね」
彼の指が下へと降り、ホットパンツに食い込んだ、あのはみ出した部分を指さした。
「ほら、ここ。毛の無いお肉が、はみ出しかけてる。汗なのかな、ここも”ネッチョリ”と濡れている」
(……うん、知ってる。わかってる。でも……!)
私は、縦に首を振ることしかできなかった。
「優子。そこを、ちゃんと確認してあげるから、脱ぎなさい」
彼の目の前で、ゆっくりとホットパンツを下ろしていく。
“ネト…”っと音を立てて剥がれた生地の内側は、汗と蜜で、”ベッタリ”と汚れていた。
彼はそれを確認すると、無造作に自分のポケットにねじ込んだ。
「ちょっと、用を足してくるから、ここに座って待っていなさい。……いいね」
(うそ……このまま、待つの……?)
下半身を丸出しにした私をベンチに残し、須藤さんは公衆便所へと去っていった。
(顔も知らない誰かに見られるのは、もう構わない。須藤さんが喜ぶなら……。でも、もし、団地の顔見知りに見られたら……!)
恐怖と興奮で、太腿が”ガクガク”と震え、”ジュルリ”と、また蜜が溢れました。
5分が、永遠のように感じられた。
煙草の匂いをさせた彼が戻ってくる。
「どうだった?誰かに見られたかい?」
「……はい。一人……男の人が、通りました……」
「そうか。……下半身に何も身に着けてないのは、気づかれたかい?」
「わ、わからないです……。見て見ぬふり、みたいな……」
「だろうね。深夜にこんな格好の女の子がいるなんて、誰も思わないだろう」
(……あぁ。私、この瞬間に、受け入れたんだ。私が「露出狂」なんだって……)
須藤さんは、私の隣ではなく、私を抱き寄せ、彼の股の間に後ろ向きに座らせた。
そのまま背後から強く抱きしめられ、深くキスをされる。
(……もしかして、ここで始めるの……?)
汗で濡れたTシャツ越しに乳首を “コリコリ”と弄られると、身体が小刻みに震え始めた。
「……ん……ふぅ……っ」
丸出しの下半身を、彼の手が直接、愛撫する。
「気持ちがいいほど、ツルツルだね。……子供みたいだ」
「あぁ……!だめ、そこ、すぐ……!」
脚を閉じようとする私を、彼の両脚が、”ガッ”と開いて固定する。
「……露出プレイは、どうだ。好きか?……そろそろ、イきたくなったんじゃないか?」
「はぁ……す、き……っ、はぁ……イき、たい……けど……か、感じすぎて……っ」
「そう。じゃあ、これからも、楽しみにしているよ」
彼は、私の右乳首と、クリトリスを、同時に刺激し始めた。
「気持ちが良かったら、声を出してもいい。……誰か、聞いてるかもしれないけどね」
その羞恥心を煽る言葉が、私を絶頂へと導きました。
「あ、ああああッ!いや、だめ、みられ……っ、んぅううう!!」
羞恥心が、私の最後の理性を焼き切ってしまいました。
(ああ、きも……ち、いい……!)
5分も経たずに、私は呼吸もできず、連続絶頂の波に溺れた。
「そろそろ、入れてみようか」
「え……!ここで?誰か、来たら……!」
「大丈夫。誰も来やしないよ」
(……須藤さんと一緒なら、構わない……)
「はい……おねがいします……」
「どこに、入れてほしい?」
「……優子の……アソコ……」
「アソコ、とは?」
「…………」
「言わないと、分からないだろ」
「ぉ……ォマンコ……」
その言葉責めに、私は声にならない声で答えた。
「そうか、オマンコだね」
彼は、こくりと頷いた私を、さらに深く抱き寄せた。
「はぅ……んっ!」
彼の硬く昂った熱の楔が、汗と愛液で滑るそこへ、一気に突き入れられた。
「あっ……!んぐぅ……ッ!」
挿入の衝撃だけで、私はまたイってしまいました。
「痛くなかったかい?」
「うん……いたくない。……不思議……。きもち、いい……」
(ああ……屋外という、この状況が、私をここまで……)
自宅に近いという緊張感。
半裸という解放感。
その凌辱的な刺激が、私を狂わせていく。
絶頂の痙攣が途切れることなく、私の身体は波打った。
須藤さんも、ものの数分で限界を迎え、初めて、私の膣内深くに、熱い奔流を放った。
「……っ、ごめん、中に……!」
「うん……いい、よ……だいじょうぶ……」
膣内が熱い精液で満たされる感覚に、私は酔ってしまった。
震える身体を後ろから強く抱きしめられ、髪を撫でながら、長くキスをされる。
(SEXの後のこれが、すごく幸せ……。いつか、この気持ち、言えるかな……)
落ち着きが戻ると、私の身体が持ち上げられ、”ズボッ”と彼の楔が引き抜かれた。
「あっ、ごめんなさい……!垂れてしまって……」
溢れた二人の体液が、私の太腿を “タラタラ”と伝う。
すかさず、身体を振り返り、須藤さんの陰部に滴り落ちた精液を丹念に舐め清めた。
そうしている間も、膣から溢れた二人の体液が “ドロッ、ドロッ”と溢れ、私の太腿を “ベットリ”と汚していく。
須藤さんのポケットから差し出されたホットパンツを、膣に蓋をするように穿いた。
手を繋ぎ、車に向かう。
歩くたび、膣内の残骸が “ネチョ、ネチョ” と音を立て、ホットパンツがそれを吸い込み、”ジワリ”と滲んでいくのが分かった。
車に戻る頃には、0時近くになっていた。
須藤さんはマンションまで車を走らせた。
私は着替えも忘れ、まだ “ネバついた” 股間に思いを募らせながら、助手席で窓の外を眺めていた。
(……これが、本当の私。……夜だけの、私の、普段着……)
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